美山かやぶき美術館  伝統と現代の感性を大切に 井上家三代陶芸展

 現在、美山かやぶき美術館で、 井上家三代陶芸展が行われています。京都五条坂の窯元素明窯(そめいがま)の、親子三代の作品を展示しています。
 三代目の井上路久さんは、やわらかな曲線で「風」をイメージし、伝統と現代の感性を大切にしながら、白磁や青磁の作品を制作しています。路久さんの祖父、治男さんと、父、佳久さんは日展などで活躍し、皇室に作品を献上するなど、独創的な作品を数多く産み出しました。
 白磁に柔らかな赤が印象的な作品は、紅彩(こうさい)という金の釉薬を使い、色が反対側にも染み込む、現代ではなかなか行われていない技法ですが、井上家の特徴の一つとして路久さんに受け継がれています。
 爽やかで優しい陶器や花器、およそ70点が並ぶ、この展示会は、6月20日日曜日まで開かれています。